bibliomanifesutus microscopium II

セメン樽に顕微鏡

アジ演説

全編アジ演説かっていう勢いの攻撃的ななにか。生前のエピソードなど目にするにつけ、身近にいられたら我慢できたもんじゃないような人だった気がするけど、マルセイユのユニテの外観の存在感とそのインテリアの場違いなくらいの繊細さとを思い出すと、世界がこの人を必要とし、かつこの人はそれ以上のものを遺したんだと思わざるを得ない。挑まれたときに鼻で笑うかわりに全力で闘う人はだいすきなんだ。

この国フランスのこの時代において最も美しいもの ― それは、理性と詩情が共存し、知慧と企画が協同する建築物に特有の発明と勇気と創造的精神であるが ― それらを、憎しみや怖れや精神の貧しさや無気力のもつあらゆる残忍さをもって忌まわしくも執拗に破壊し打負かそうとする人々を、私は良心の苛責と後悔に導いてやりたい。
ル・コルビュジエ『伽藍が白かったとき』