bibliomanifesutus microscopium II

セメン樽に顕微鏡

ともあれ隠れ家らしく、

ウラジーミル・ナボコフマドモワゼル・O』→Amazon.co.jp

よく経験することだが、小説の登場人物たちに私の過去の大切な思い出を与えてしまうと、突然押し込められた造りものの世界の中でその思い出はやせ細ってしまいがちだ。

忘却することよりも、変形し、褪色し、慣れて異質なものとして固着してしまうほうが嫌だ。今日私を通り過ぎた記憶の瞬間も、そうなるくらいなら忘れてしまう方がいい。だから決して書き留めないでおく。